PSP版タクティクスオウガから考える悪い成長システム

最近になってPSP版タクティクスオウガを再プレイしているのだけど、前にも書いたようにやっぱりこの成長システムは好きではない。んじゃどういうシステムが好きなのか?と自問自答してみました。
#### 1.オリジナリティが出せる
例えば名前を自由に付けられる。グラフィックを変えられる。その他、タクティクスオウガで言うならロウ・ニュートラル・カオスの信条を決められる。「自分だけのキャラクター」感が出せる。
#### 2.自由度がある
成長の選択肢がたくさんあり、好きな方向にキャラメイクできる。全く同じようにプレイすれば同じキャラを作れるのは仕方ないけど、分岐が膨大でまず他人と被らない。
ところでRPGで成長のオリジナリティ・自由度を高めると、キャラクターとストーリーの親和性が薄れるような気がします。昔のFFシリーズを振り返ると、FF2・4・6はストーリーは練りこまれているがキャラ成長は自由度が少なく、FF1・3・5はストーリーはそれなり(とします)だがキャラ育成は自由度がある。
これは別に昔のゲームに限ったことではなく、テイルズシリーズのヒロインが暗黒魔法とかバンバン使ったらおかしいですよね、という話です。ストーリー重視するゲームはキャラの成長の自由度を狭めたほうがキャラとストーリーとの親和性がたかまると思います。
#### 3.制約がある
これが重要なんですけど。**長所を伸ばすと短所ができる。それがいい。**キャラクターのパラメーターが最終的にカンストするのではつまらない。「最強の武器防具一択」ではつまらない。というか制約がなく誰でも「最強のキャラクター」を作れちゃうと、1番のオリジナリティもなくなってしまう。


この基準にPSP版タクティクスオウガを当てはめると…
オリジナリティ・制約の両方とも少なくなったと言えます。
* キャラ毎に設定されていたエレメント属性の廃止
* 性別限定ユニットの廃止
により、「自分だけのキャラ感」が少なくなった。また
* クラスを渡りあることでのパラメーターカンスト
が可能になったことより、**誰がやっても成長の最終地点は同じになった。**(※)
さらに大きいのが、**ストーリーキャラクターは汎用ユニットよりウェイトターンの基礎値が少なくこれを汎用ユニットはどうやってもひっくり返せない**ので汎用ユニットを使う意味が全くない。つまり「最強の騎士団」を作ろうとした時点で最終的に使うユニットが決まってくるので興ざめしてしまう、というのがあります。
もちろん10個のスキル枠という制約その他も残されているのですが、SFC版に比べるとうーん…。キャラへの愛着が沸き難くなったなぁと思いました。
その点、世界樹の迷宮は上で上げた3つのポイントをちゃんと抑えてるので、単純作業であっても「自分だけのキャラクターを作ってる感」があるので楽しみはありますね。
厳しい言葉で言うと、自分だけの拘りを入れたいから市販の製品を買わず手作りするのであって、出来上がった結果が市販の製品と同じなら手作りする意味はない、ということで。
※ SFC版のTOでもリーンカーネイトを使うことでパラメータカンストは可能だったか、あれはクリア後の反則技的な存在なので制約が薄まった、という感じはない。