高校の時に発生した部活の問題を10数年後に改めて考えた件

コンビニで飯食ってたら、近所の高校生が部活の話してたのでメモ。
うちの高校では硬式テニス**同好会**というのがあり、**部活**に昇格することを目指していた。
### 硬式テニス同好会のスペック
* 部員50人程度(普通の部活に比べて大規模)
* 顧問の先生もいて真面目に練習している
* 大会である程度の実績を残している
### 部活動に昇格するメリット
* 学校から部費が出る(同好会には一切お金が出ないのでボールなどは同好会員持ち)
* 学校のテニスコートを使用できる(一般のテニスコートを借りるため、料金がかかる)
特にテニスコートについては料金面もさることながら、**学校から遠い**という大きなデメリットがあった。自転車で30分と遠く、自転車でないと通えないため、電車通勤の学生はテニス部用にもう一台自転車を購入していた。
テニスコート代とボール代で同好会活動費は月々2000円。部活になればテニスコート代がタダでボール代もある程度学校から支給されるので、月々300円くらいになる(と、友達の同好会員が言っていた)。
まとめると。
|-|*同好会*|*部活*|
|部費|約2000円/月(年間24000円)|約300円(年間3600円)|
|テニスコート|自転車で30分|学校敷地内|
と、部活になることのメリットは大きい。
ちなみに、学校のテニスコートは軟式テニス部に割り当てられていたのだが、この部活がほとんど活動しておらずテニスコートはガラ空き。個人的には、真面目にやってる硬式テニス同好会に割り当てていいんじゃねぇの?と思っていた。
### 部活動に昇格する条件
同好会員が"健全な高校生であること"と同時に、**大会の実績。**
で、ここで問題になったのが**テニスが強いだけで練習に来ないメンバーの扱い**である。同好会から部活に昇格するメリットは大きいので、同好会員は部活に昇格したいと思っているが、大会で結果を残すためには強いメンバーを選手に選ぶ必要がある。そのために**普段から真面目に練習せず、籍だけ置いてるメンバーでもいいのか?**という話。
(いくら高校から真面目にテニスを始めたからといって、子供の頃からテニスをしていて、私設のテニスクラブに入っているメンバーには勝てないわけで)
そんなこんなで大会前は長時間の会議が開かれ、しまいには会議室から泣きながら飛び出す女子がいたりと大変な状況だった様子。
### 解決策?
当時を思い出しながら「この問題は大人になっても解決できないなー」と思った。
これが学校の部活なら(うちは公立高校だったので)「真面目に練習来てるやつを大会に出すのが筋だろ!」でもいいんだけど、なんせカネが絡んでる。カネだけじゃなく、学校のテニスコートを使える権利もかかってる。とはいえ、普段からがんばって練習してるのに、大会だけよーわからんヤツが自分たちの代表で出るなんて許せない!という考えも分かる。
どうしても部活に昇格したいと思ってるメンバーと、部活にならなくてもいいから、普段から一緒に練習している仲間と大会に出たい、というメンバーの折り合いを付けなければいけない。こりゃー難しいなー。
…とはいえ僕も大人になったので、もうちょっと色々考えてみた。ここからは思考実験。
### 僕が同好会の顧問だった場合
基本的には「**強い奴が大会に出る**(そして部活に昇格する)」というのが、ビジネス的には正しい理論なので、ちょっと否定しにくい。「**普段から練習に来てる人が大会に出る**(結果ではなく過程重視)」が、高校の部活ならではの考え方と言える。高校生なので後者が"正しい"としてもよいが、部活に昇格すること自体がみんなのためであり弱者のためでもある(=高校生っぽい理由)ので、事態はややこしい。
試しに「普段から練習に来てる人が大会に出るべき」派を説得してみようか。部活に昇格するメリットは知っているはずなので、それでも普段からのメンバーが試合に出るべきだ、と思う理由は?
* 考えが青いから?→これは高校生だとありそうだよね。青春すべき、みたいな。
* 自分が試合に出たいから?→確かに、どう頑張っても実力じゃ勝てない→高校三年間で試合に出れないの確定は悲しすぎる
* ぽっと出のメンバーが試合でいい顔するのが気に食わないのか?→感覚的には非常に分かる。
うーん。。。
「強い奴が大会に出るべき」派を説得するのはどうか?前述したとおり、この考えがビジネス的には正解なのでロジック勝負だと負けそう。「うちの部ではこういう方針だから」で押し切るしかないが…。部活に昇格するのが全同好会員にメリットがあることなので、非論理的な要素だけでは弱い。
### 妥協案?
全然練習に来ないメンバーが試合に出るのが問題なのであって、例えテニススクールに通おうとも、同好会の活動に積極的に参加し、馴染んでいれば何の問題もない。ということで、ある一定日数以上、練習に出ていれば試合に出てOKとする。
…というルールにすると一番揉めそうな気がする。「**練習に出さえすればいいんでしょ**」とばかりに、練習には来るがメンバーを気にかけず自分の練習ばっかりするとか、ちょっと参加して途中帰宅するとかってメンバーが出てきてまた揉めそう。
「**来たくない人を練習に来させる**」方向のルールは間違いな気がする。
### そもそものルール設定
というか「**実績を残さないと部活に昇格できない**」という設定自体、疑ったほうがいいんじゃないか。それこそ高校生の活動なんだから、結果よりも過程重視で昇格の是非を決めてもらいたいものである。
結局、子供の頃からテニスやってるメンバーを試合に出させる事自体チートだし、そういったメンバーが入会するかの運・不運で同好会の運命が決まってしまうこと事態おかしい→だからうちは生え抜きメンバーだけで頑張ってるんしある程度結果も残してます、とアピールするとか。
あるいは、春と夏の大会があるとして、どちらかの大会を「部活動昇格試験」として設定してもらい、片一方の大会の結果は無関係にするとか。春の大会で結果を残して学校にアピール、夏の盛り上がる大会は3年間頑張ってきたメンバーに華を持たせるとか。これが実現するなら、「普段から来てるメンバーが大会出るべき」派の理由はほぼ潰せると思う。
### まとめ
「意見が対立して大変だなぁ」というところから一歩踏み込むんでいろいろ考えてみた。いずれも高校の時の僕は思いつかなかった手段で、特にルール設定を疑うという点は、社会人になって「前提変えるのってアリなのね」って学ぶ画面が多かった気がする。
ちょっとしたコンビニでの思考実験だったけど、16歳の時に比べて今の自分は成長してるな、って実感できて嬉しかったのがこのエントリを書いた動機でした。
### 余談
※ 今高校のWebサイト確認したら、男女とも正式なテニス部に昇格したみたい。良かったね。