newsingの件について-クリック閾値とアクション閾値

発端はこれ。

newsingに低俗なニュースが多い件 | 近江商人JINBLOG

確かになぁ。僕がnewsingから離れた理由もそれですし。

■newsingに低俗なニュースが多いわけ

一時期は「俺のpickする良質ニュースで低俗ニュースを駆逐してやるぜ」なんて思ってたんですよ。けどpickしてもpickしてもポイントが上がらないし(俺が良記事と思ってただけ説もあるけど…)、他の人がpickした良質ニュースに応援コメントつけてもTOPに上がらないので諦めました。

というのも、newsingではコメント5pt、クリック1pt。今回の騒動で評価2pt,コメント4pt,クリック0.5ptに改定されましたが、2,3人が「これは良記事!是非newsingのTOPに表示させたい!」と思ってコメントを付けても、数10ptしか加算されない。興味本位だけで(タイトルに釣られて)100人がクリックした記事の方がpt数は多くなるんです。気合の入ったpickupもスパム的なpickupも「新着newsing」として並列に扱われるのも、良記事が目立ちにくいことも原因の一つ。

物量に押されてユーザーの感情・熱量の部分が切り捨てられている気がします。

■newsingの方向性について

質より量を重視するのも一つの成功系だと思うんです。センセーショナルな記事、悪く言うと「釣りで中身の無い」記事は、広範囲の人の感情を動かし結果クリックに具現化されます。記事を読んで感情が収まっても「クリック」の事実は変わらりません。

対して「釣りではないが良記事」記事の場合、その分野に興味のある人しかクリックしませんからまずパイが狭い。ただし興味を持ってクリックし、しかも良記事ですからコメント付ける、ブログで紹介するなどアクションを起こすユーザーは多い。

図にするとこんな感じ。図中のメーターは「記事から受けた影響量」を表しています。

・釣り記事の場合

クリック閾値  アクション閾値
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・良記事の場合

クリック閾値  アクション閾値
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/クリックアクション
釣り、中身ない9人1人
釣らない、良記事4人3人

図のケースの場合、良記事に対してアクションを取った人が多くともPV勝負では釣り記事の勝ちです。

ということで、PV稼ぎには「一部の人に取って非常に有益な記事」より「より広範囲な人の感情を(一時的に)燃え上がらせ、クリック閾値を突破させる」手法が有効なわけです。

釣り記事の手法で成長をしたのがZAKZAKJ-CASTでしょう。センセーショナルな記事でユーザーを煽り、ブログや2chに取り上げられることでアクセス数を稼ぎ、知名度を上げてきました。

反面、はてブに良記事が集まるのは、ブクマ閾値が図のアクション閾値の位置にあるので「一部の人に取って非常に有益な記事」が集まるからだと考えてます。

■長くなりましたが

newsingに投稿されるセンセーショナルな記事を黙認してPVを稼ぐのも一つの道だと思うんです。が

「マイネット・ジャパンの目玉サービスってどんなんだろ?」

ってnewsingを見たときそんな記事がTOPに並んでるのは、ビジネスの上でいいことじゃないし、青臭いですが自分の会社を誇れないと思うんですよね。そんな中

お返事の続きです4

>tsupoさん

いつもありがとうございます。低俗に徹した別サイトという考え方、Youtubeの裏にポルノチューブがあるように、世の人々のニーズが適切に満たされるためには一つのあり方なのかもしれません。ただ、マイネット・ジャパンがそういったサイトを運営する考えはありません。

とおっしゃってくれたのは救いでした。(そういう考えだと分かっていましたが。)

長くなったので新ポイント加算方法の考察については次のエントリーに続く。


ちなみにこの記事のインスパイア元はこちらです。

もしオオカミ少年の村にnewsingがあったら :Heartlogic

それらをまとめて「クリック=ポイント加算」とすることで、これまでのnewsingのようなランキングができたのだ、というのは興味深い。対して(類似サービスであるところの)はてなブックマークでは、クリックそのものは投票とみなされない。

その違いが、上位に上がってくるものの違いにもなっているのかもしれない。両サービスの違いについて「ユーザーのタイプが違うから」みたいな指摘は間違ってはいないにしてもそれが全てではなく、ユーザーのどんな行動にどう重みづけをしているか、という要素もあるのだろうな、と思った。

ということではてブコメント欄の「俺たちと違ってnewsingは低俗なユーザーばっかりだからしゃーない」という意見には反論したいところ(被害妄想ですw)