スノーボードのレッスンを受講するという事について

– ここでの「レッスン」はある程度滑れる人がさらに上手くなるためのレッスンの事であり、初心者が取りあえず転ばずに滑れる、といったものではありません。
– 割とポジショントーク入ってるので「こんな考え方もあるんだなぁ」程度に思っていただければ。
結論から言うと僕はスノーボードレッスン肯定派である。最初は自分の成長に行き詰ってダメ元で受けてみたのがきっかけで、そこから定期的にレッスンを受講している。最初のレッスンで自分の悪いクセを的確に指摘してもらえたので運が良かったのもあると思うけど、やっぱ**他人に金払って教えてもらうのは良いよ。**
自分で自分の悪いところが分かってるなら上手い友達に聞けばいいけど、レッスン受けたらコーチが今の自分の状態を見て、自分じゃ気づいてない必要な事を教えてくれるんだから。悩みながら10日間滑るのが1日で解決したりする。お金も時間もお得。


けど仮にレッスンがタダだとしても毎日レッスンを受けるという事はない。なぜなら**レッスンを受けて、そこで言われた事を自分なりに理解・咀嚼するまでが一つのレッスンだと思うから。**自分の感覚を一番分かっているのは自分。コーチのアドバイスと自分の感覚のズレを修正して初めてアドバイスを真に理解したといえる。
後は…**レッスンばっかり受けてると自分を知るという機会が少なくなる。**例えば調子の悪いときにどういう所から意識すれば修正できるかという問題。コーチがそばにいるとすぐに回答を教えてもらえるので自分で考る機会がない。だから一人で滑って調子が悪いとどうやって調子上げればいいのか分からなくなる。
いや、本当につきっきりで見てくれるならいいよ。テニスの杉山愛選手とかお母さんがコーチで練習見てくれて、杉山選手よりも正確に状態把握できるらしいし。けど僕らは一生コーチと滑るわけじゃないからなぁ。


まぁ具体的に言うと池の平でやっていたパークアカデミーの事なんだけど。友達が何人かあそこのシーパスを買って通ってたんだけど。
1. 毎回パークアカデミーに通う
2. 適度な頻度でパークアカデミーに通って後は自分で練習する
3. パークアカデミーに通わずに自分で練習する
のどれが一番成長できたのかな、って。いや、アカデミーは終わってしまったから分からないんですけども。
けどずっとアカデミー受けてた子と受けずにフリーランしてた子を見比べると…。1シーズンアカデミーに通ったからってそこまでのアドバンテージはないな、って思っちゃったんです。
まずアカデミーってほぼひたすらアイテムしかやらない。フリーランができない。だからフリーラン上達は捨ててアイテム上達に全てをかけるんだけど…。毎週土日8時間がんばった結果がなぁ…って感じで。特にアカデミー以外のBOXやキッカーであんまりメイクできなくなってる。
僕の経験だけど1つのアイテムで練習しすぎると他のアイテムで全然できなくなるって事がある。や、逆に1つのアイテムでいろいろできるようになった!自信になった!これで他のアイテムも大丈夫!って思う人もいると思うけど。アイテムに入るときってまずアイテムの性質(アプローチスピードとか)を理解して慣れてから技をやる、って感じなんですけど、1つのアイテムばっかりだと「理解して慣れる練習」がすっ飛ばされるんですよね。それはいろんなゲレンデでいろんなアイテムに入らないと上達しないことで。
あとアイテム上達するためにはやっぱフリーランできないとだめだと思う。フリーランに加えて、例えばBOXならグラトリでまず練習するとか、キッカーなら地形使って練習するとか。そういう点でアカデミー通いが効率的かどうか?例えばキッカー1回飛ぶのにハイクして順番待って…ってうちにフリーランで踏み切りの練習10回くらいはできるんじゃないかな。
(アカデミーは当たり外れが大きいのも特徴でしたね。初期のがら空きの時と中期の激混みの時の差…)
あとレッスンって連続で受ければ受けるほど価値が下がると思ってる。だってそうでしょう?土日でレッスン受けて練習せずに次の週の土日もレッスン受けても指摘される内容は先週と同じじゃん。それなら次の週はフリーで滑って、その中で疑問に思ったところをまた聞けばいいのに。
ということで、俺自身は毎回レッスンを受けるのはかえって上達に繋がらないんじゃないかな、と思います。むしろ俺みたいにレッスン終わってから自分で練習して課題持って次に望むほうが、気付きが多くてお得なレッスンになるのではないかな、と思いました。
ね、ポジショントークでしょ?


さて、僕はレッスン肯定派ですが。(自称じゃなく)ボード上手いからレッスン受けないって人の気持ちは分かります。
例えばの話、プロスノーボーダーってレッスン受けないですよね。国の強化指定選手とかに指定されていればコーチは付くけれど、生徒と先生って関係じゃなく技術について議論し合える関係。もちろん僕らはそこには遠く及ばないけど、スキルが上がるってことはそういう所に近づくってことだと思うのですね。
それはどの分野でもそうで、**大学で学生から院生になって自分の研究もつと、誰かに教えてもらうってより自分で調べて道を切り開く感じになる。**スポーツもそうで「自分の悪いところが分からない」とか言ってられない。自分で気付いて当然。ただ、そういう人たちって完全に一人で滑ってるわけじゃなく、周りに同じくらい上手い人がいて技術について話し合える。そういう関係があるのなら、確かにレッスン受けなくてもいいなぁと思いました。
そうは言っても、そこまでのレベルになるのは相当だと思います。あと、そういう人でも割りと以前はレッスン受けてた、とかいう人が多いんですね。聞く限り。最初に書いたとおり友達が教えてくれるのはアドバイス程度で、根本的に自分の滑りを直すとかはしてくれない。普通の人はレッスン受けたほうが効率いいと思いますよ、という話でした。