白馬の観光客が本当に減っているか調べる
@daikura_love が “白馬は観光客が減ってつぶれる"とツイートしていた。これに@飛ばさず言及してもよかったのだが、なんとなくきっちりブログ記事書きたい気分だったのでデータを引用しつつ書く。
白馬村の観光客データより観光客の推移を調べる
@daikura_love が引用している画像のソースが分からないが、こちらは白馬村-行政-[Hakuba Village]:観光統計を利用。白馬村なので小谷村の栂池・コルチナが入っていないが、長野県が出している資料は平成23年が最新であり、また小谷村の資料がなかったため、ひとまず白馬村の資料で考察する。なので、前提としては"統計期間中、47・八方の観光客が栂池・コルチナに流れていない、またその逆もない、あるいは無視できる程度"とする。(47・八方・栂池・コルチナの観光客が後述のファクターによって同じように増えたり減ったりしているのが前提)
白馬村-行政データの確認
平成2年(1990年)~平成29年(2017年)までのデータが以下に掲載されている。白い帯がスキー観光客。
目的別観光客数推計(PDF)
平成6年(1994年)が長野オリンピックなのでこの付近がピークなのは当然として、そこからは観光客が右肩下がりである。しかし、平成21年(2009年)に底を打った後は横ばいといえる。よって、白馬のスキー観光客は近年(2009年以降)減少しておらず、横ばいであると言える。
※ 近似曲線とか書かないけどグラフから読み取りをお願いします。
なぜ、白馬の観光客が減っていると誤認してしまうのか
白馬村内スキー場利用者数(月別)を見ると、H26-27の97万人に比べ、H27-28は92万人と約5万人のスキー場利用者数減少である。H28-29に94万人に盛り返しているものの、この3年だけ見ると減少傾向と言える。しかしこれは理由がはっきりしており、H27-28、H28-29が暖冬で雪の量が少なかったからである。このエビデンスは気象庁のページなどを探せば出てくると思うが、毎週ゲレンデに行っていた人は記憶があるだろうから省略。
よって、ここ3年のデータだけ見るとあたかも観光客が減少傾向にある、と誤認してしまう。幸い、H29-30(今シーズン)はシーズン初めから雪に恵まれており、2月終了時点ではここ4年で一番観光客が多い。このようにスキー産業は天気によって大きく売り上げが左右されるので、人数だけでなく外的要因も含めて調査する。あるいは特定エリア以外のデータも考慮することが必要である。
ところで
ここからはエビデンスのない話。
ゲレンデに来る観光客の数と、そのゲレンデが従業員を募集するかの相関性はあまりないと思う。理由としては
- 前述のようにスキー場営業は天気に左右されるためシーズンが始まる前には来客数が読みづらく、一定数を募集するしかない
- ゲレンデによって従業員の採用方針があり、観光客が多かろうが少なかろうが募集しないところはしない(主にローカルゲレンデ)
- 募集が出るところも、けが人が出てシフトが回せなくなったなど、運やタイミングなどの個別ファクターが多い
ように思える。よってゲレンデ職員に就職を希望するなら、観光客の数は置いといて採用を受け付けているところに手当たり次第に応募するのが手っ取り早いと思われる。
また、リゾート系職業は基本的にはやりがい搾取系のお仕事だと僕は思っているので、働く側の立場は比較的弱いと思われる。例えば、2011年の震災の時は3/11を区切りにクローズするゲレンデが多かったが、その際、従業員は首を切られ、もちろん給料も出ず、寮も追い出された、という話を聞く。震災当時はゲレンデ側も必死だったとはいえ、その話を友人から聞いた時に従業員の立場の弱さを知った。
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