完全攻略!SPY's!(ゲーム開始まで編)

何回か取り上げているSPY’Sというゲームについて考察してみようと思いますー。
### ルールと進行
#### ゲーム前準備
* プレイヤーは3人固定
* それぞれのプレイヤーがA国・B国・C国に分かれる。国による有利不利はない
* ゲーム開始前にそれぞれのプレイヤーが"秘密任務カード"を受け取る。秘密任務カードの内容は「自分以外の○○という国を2位(or3位)」にすること。
* 例:A国に与えられた任務はB国を3位にすることである!
#### ゲームスタート
* 1人が黒幕役・1人がスパイ役(先攻)・1人がスパイ役(後攻)でゲームスタート。
* 黒幕役はスペード・ハート・ダイヤ・クローバーの4枚のカードを持つ
* そのカードのうち、1枚を自分が持ち・1枚を場に裏向きでセット。残り2枚をそれぞれのスパイに渡す。黒幕の役目はここで終了。
* 黒幕・スパイ両名とも自分が持っているカードを他人に見せてはいけない。
* スパイには相談機会が与えられる。**ただし会話は2往復に制限される。**
* 相談後、スパイは同時にマークをコールする。状況に応じた得点が与えられターン終了。
得点ルールは以下の通り。
1. ターゲットのマークを宣言した場合、自分に+2点
2. 2人とも黒幕のマークを宣言した場合、お互いに+5点
3. パートナーが自分のマークを宣言した場合、自分に+2点、パートナーに-2点
4. 2人とも同じマークを宣言した場合、お互いに+1点(黒幕は無効)
5. 自分ひとりが黒幕のマークを宣言した場合、黒幕に+1点、自分に-1点
ややこしいけど**スパイA・B共に黒幕をコールすればお互い5点貰えるが、単独で黒幕をコールしてしまうとが-1点**が軸になってます。
また自分の持ってるカードによっても若干得点が変わってきます。
* スペード:ターゲットのマークを自分だけが宣言していた場合、追加で+1点
* ハート:自分とパートナーが同じマークを宣言していた場合、自分だけに追加で+1点(黒幕のマークを宣言していた場合は無効)
* ダイヤ:パートナーの宣言していたマークが自分のマークだった場合、追加で自分に+1点、パートナーに-1点
* クローバー:パートナーがパートナー自身のマークを宣言していた場合、自分に+2点、パートナーに-2点
例えばこんな場合。
|*役職*|*カード*|
|黒幕|**ハート**|
|スパイA|*クローバー*|
|スバイB|**ダイヤ**|
|場|*スペード*|
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#### 会話例1
* スパイA「とりあえずここはお互いハッピーになるために黒幕狙いに行きませんか?僕のカードは*クローバー*なので場の黒いカードは*スペード*だと分かります。スパイBさんがマークを教えてくれれば黒幕狙いにいけますよ」
* スパイB「じゃぁ平和的に黒幕を狙いに行きましょう。私のカードは**ダイヤ**ですから黒幕のカードは**ハート**です。」
* スパイA「じゃあお互い**ハート**をコールするということで」
* スパイB「じゃ、そーいうことで」
* スパイA・B「**ハート**!」
* 黒幕「オウフwwwwwww」
スパイA・Bに+5点。黒幕に0点。
#### 会話例2
* スパイA「とりあえずここはお互いハッピーになるために黒幕狙いに行きませんか?僕のカードは*クローバー*なので場の黒いカードは*スペード*だと分かります。スパイBさんがマークを教えてくれれば黒幕狙いにいけますよ」
* スパイB「じゃぁ平和的に黒幕を狙いに行きましょう。私のカードは**ハート**ですから黒幕のカードは**ダイヤ**です。」
* スパイA「じゃあお互い**ダイヤ**をコールするということで」
* スパイB「じゃ、そーいうことで」
* スパイA「**ダイヤ**!」スパイB「*スペード*!」
* 黒幕「(やっぱりスパイB裏切ったか…)」
スパイAはパートナーのマークをコールしたため、得点ルール3によって-2点。さらにスパイBはダイヤのため-1点。計-3点。スパイBは得点ルール3によって+2点。ダイヤ効果によって+1点。さらに自分はターゲットのマークを宣言したため+2点。計5点。黒幕に0点。
これを6ターン行うって終了後に"秘密任務カード"の条件を満たしたプレイヤーに+5ポイント。
[SPY’s – 500円ゲームズ](http://d.hatena.ne.jp/Games500yen/20100512/p1)
### 勝ち筋
1. 6ターン終了時点で1位かつ他のプレイヤーに6点差以上付ける。
2. 6ターン終了時点で1位かつ特別任務を満たしている。
上記どちらかを目指すことになるんだけど、条件1「6点差以上をつけて1位」は厳しい。というのは6ターンのうち黒幕を2回プレイし、黒幕に点数が入ることはほとんどないため実質的な得点機会は4ターン。1ターンの最大得点は5点だが毎回うまくいくとは限らずマイナス点を貰う可能性も考慮すると最終的な得点は10点前後と予想される。この状況で他プレイヤーに6点差以上をつけるのはかなり難しいと思う。
よってここでは条件2「6ターン終了時点で1位かつ特別任務を満たしている」を達成するよう攻略を進めます。
### 特別任務考察
特別任務カードは4種類あり、それぞれの内容は以下の通り。自分の国に与えられた任務を達成する。
|_|特別任務1|特別任務2|特別任務3|特別任務4|
|A国|B国を3位にする|C国を2位にする|C国を3位にする|B国を2位にする|
|B国|A国を2位にする|A国を3位にする|C国を3位にする|C国を2位にする|
|C国|B国を3位にする|A国を3位にする|B国を2位にする|A国を2位にする|
自国が1位を取る前提で2位or3位指定の国以外が3位or2位と置き換えていくと以下の通り。
|_|特別任務1|特別任務2|特別任務3|特別任務4|
|A国|B国3位・C国2位|B国3位・C国2位|B国2位・C国3位|B国2位・C国3位|
|B国|A国2位・C国3位|A国3位・C国2位|A国2位・C国3位|A国3位・C国2位|
|C国|A国2位・B国3位|A国3位・B国2位|A国3位・B国2位|A国2位・B国3位|
表にすると、条件が平等に作られていて、**カードを引く前の確率の段階から有利不利はない**ことが分かる。
ということでここからは特別任務カードが配られた後、**有利不利が発生した**後の話をします。
結論から言うと、**例えばA国が特別任務1を引くと不利となる。**なぜなら特別任務1の他国の条件はどちらも「A国2位」だから。他の国にどのカードが配られているのかは分からないけど、B国・C国とも1/3の確率でしかA国をアシストしてくれない。逆にA国が特別任務2を引くと有利になる。特別任務2の他国の条件はどちらも「A国3位」であり、このカードを潰したことによってB国・C国はどちらも2/3の確率でA国をアシストしてくれるから。
という主観視点で纏めた結果が以下。
|_|特別任務1|特別任務2|特別任務3|特別任務4|
|A国視点|B *1/3* C *1/3*|B **2/3** C **2/3**|B *1/3* C **2/3**|B **2/3** C *1/3*|
|B国視点|A **2/3** C **2/3**|A **2/3** C *1/3*|A *1/3* C *1/3*|A *1/3* C **2/3**|
|C国視点|A *1/3* B **2/3**|A *1/3* B *1/3*|A **2/3** B **2/3**|A **2/3** B *1/3*|
※表の見方→「B 1/3 C 1/3」Bがアシストしてくれる確率が1/3、Cがアシストしてくれる確率が1/3
例えばA国が特別任務3(B 1/3 C 2/3)のカードを引いた場合、C国とは協力関係になりやすいのでC国とパートナーになった時は黒幕のB国を狙いに行ける。ただ、A国の特別任務3は「C国を3位にする」ということなので、どこかで裏切る必要がある。またA国が特別任務2(B 1/3 C 1/3)のカードを引いた場合、B国とC国はお互いがパートナー同士の可能性が高いので、自分が黒幕の時は黒幕を当てられないように仲たがいするようなカードを配ることが重要である。
このエントリの結論:**ゲーム開始前にどの国が味方の可能性が高いか考えておこう!**
ゲーム開始後の考え方はまた今度ー。
### 余談:ゲーム設計について
上の表はあくまで主観視点なので、例えばA国が特別任務1(B 1/3 C 1/3)、B国が特別任務3(A 1/3 C 1/3)、C国が特別任務2(A 1/3 B 1/3)で「あれ?この場はお互いが協力し合わない場なのかな?」なーんてことはない。A国・B国・C国の3点の間に「どこかの国がどこかをアシストする」という片思いが必ず3つ存在する。
それが「両思い1つ、片思い1つ」なのか「片思い3つ」なのかは配られたカードによるが、どちらにしてもプレイヤー視点では重要でない話ではあるけれど。