『ドミニオンマニアックス』読了

超面白かったです。

しばらくドミニオンをプレイしていないエンジョイ勢以下の僕ですが、それでも面白かった。「好き」が伝わってくる本。
「ドミニオン」とはここ数年、世界的に流行(そして定着)しているカードゲーム。その攻略本が「ドミニオンマニアックス」。書いたの"最低でも"は毎週木曜日はドミニオンをプレイしているドミニオン木曜会。
ミジンコながらも木ドミ会メンバーに遊んでもらった(=**馬上槍試合で褒章カード独占されてボコボコにされた**)僕としてはもう買うしかないというか、発売前の木ドミ会のツイートから伝わる力の入れ具合で「この本はドミニオン史においてある種ターニングポイントになるんじゃないか」とさえ思っていた。
予想通り、ゲームマーケットで発売して即完売・通販も完売で、再販も好調の様子。
テンデイズゲームズ:ドミニオンマニアックス
↑まだ買えるよ!!!
### 内容について
錬金術以降のカードはいまいち把握してなくて不安でしたが問題なし。本の半分を締める「総論」(ドミニオンの基本的な考え方についての解説)では、基本セットのカードを中心に考え方を解説してくれるので問題なし。
とはいえ後半部、マイナーカードにスポットを当てる章では、カード効果を知らないと「何言ってんだ…」となるので、ドミニオン(カードリスト)App Store – Dominion Vault Liteを参考に読み進めるのがいいでしょう。
もうちょい踏み込むと、これって「必勝本」じゃないんだよね。考え方の幅を広げるというか、ドミニオンのゲームの原理的な部分に踏み込んでる本。お腹が空いてる人に魚を与えるんじゃなくて、魚の釣り方を教える。そんな感じの本。もしこれが「必勝本」なら、次の新板ドミニオンが出たら内容を書き換えないといけないんだけど、そうじゃない。基本的な考え方について書かれているから、色褪せないし古くならない。
これは勝手な思いだけど、この本を出した目的の一つにドミニオンプレイヤー全体の底上げがあるんじゃないかな。ベースの考え方を世の中に出すことによって、自分たちと同じ位置まで周囲を追いつかせたい、みたいな。周回遅れの人と議論するよりベースの知識があって、なおかつ考え方が違う人と議論する方が前にすすめる。
あと書いてて絶対楽しいだろうな、って思った。まだまだ語り足りないんじゃないかな、って。


###『ドミニオンマニアックス』という本の存在について
ここからは本の内容とかドミニオンとかあんまり関係ないのですが。
こうやって本を出して世の中に足あとを残せるのはすげーと思う。僕も仲間内でスノーボードのDVDを作っていて、それは友達中心に100枚程度配るだけのものなんだけど、それでも最終チェックの時に何回も何回も映像を見直すもんね。間違いを探すってのもあるけど何より自分の中で納得したい。一度世に出ると変更が効かないってのは思った以上の重みだったり。
そういう過程を経てるから、現物を作ってる(僕らならDVDに焼いてパッケージに入れる)時はドキドキしますね。「ほんとに現物できちゃったよ」みたいな。ドミマニほどのパワーが注ぎ込まれた本なら、完成した時の手応えは相当なものだったんじゃないか、とおもいます。
ネットでなんでも表現できるのに、あえて本・CD・DVDにするのって、実は作り手側のエゴじゃないかな、とか思います。けど本・CD・DVDにするからこそ、パワーが注がれ、後に残るというのもあり。
これだけの本を制作した木ドミメンバーの事は羨ましいと思うし、僕は僕で、誰かに羨ましがられるようなものを世に残したいなと思いました。