11-12シーズン:映像作成の進め方メモ

本当なら体系的にまとまった所で公開すべきなんだろうけど、あとで纏めるして取りあえず。
### 尺に対して候補カットが多すぎる映像(ティーザー・オープニング・エンディング)
一番大事なのは、使いたいカットを決断すること。これは何かというと、ティーザーやエンディングを作る作業は、たくさん映像を撮った中から(今回の僕らなら5000ファイル以上)数カットを選ぶ作業であって、たとえ数カットを選んだとしても**もっといい映像が眠ってるのではないか、と思ってしまい**中々作り出せなかった。
※ 特に今回の場合、一部の映像分類を他人に任せた所もあって、自分がちゃんと見てないけどダイヤの原石みたいな映像があるのではないか、と思ってしまった。
結論から言うとこれは誤り、というか**そんな事を妄想しても意味がなく**(乱暴な言い方をすると)目についた映像で作るしかない。
### そうは言っても中々最初の一歩が踏み出せない場合
#### 映像は全部見よう
見るしかない。例え他人に分類を任せたとしても。
10-11シーズンは自分が全ての映像を分類してめちゃくちゃ大変だったため、11-12シーズンは分類作業を分担したのだが、他人が分類した映像も結局後から見ることになる。実際、エディター間で判断が一致するのは**明らかに使えない映像と判断して捨てる**くらいであり、それなりの映像は自分で見て**自分の頭の中に組み込まれるか判断するしかない。**
感覚的には…
* 誰もが使いたいと思う映像:5%
* 人によって判断が異なる映像:80%
* 明らかに使えない映像:15%
って感じ。
もちろん他人に任せるメリットはあって
* 明らかに使えない映像は削除してくれる
* 映像を見た結果を分類表(Excel)に記録してくれる(誰が映ってるか、天気はどうだったか)ので、自分は映像を見るだけでいい
というのがあるので全く無意味ではない。無意味ではないが、一度自分で見る必要はある。
#### ルールを決めて制限する
これは映像のクオリティを上げるテクニック**ではなく**、とりあえず最初の一歩を踏み出すためのテクニック。
オープニングなんかは自由すぎて作りづらく、何から手を付ければいいのか分からない。そこで勝手にルールを作って、それに従うように作る。
例えば…
* メインライダーは全員最低3秒は画面に映る
* よく滑ったゲレンデは最低5秒は画面に映る
* これだけは入れたい、というカットを1分以内で選んで、それは絶対どこかに配置する
みたいな。あとは
* 個人パートで使われている映像はなるべく使わない
とか。今回、個人パートと並行してオープニングを作ってたんだけど、**友達が作った個人パートが上がってきてからの方が、使える映像が制限されて、逆に作成ペースが上がりました(迷いがなくなった)**
「とりあえず最初の一歩を踏み出すためのテクニック」と書いたけど、原型さえできてくればこっちのもので、その原型に対してどんどん肉付けをしていける。
ある程度理系的な頭で映像を選別し、最後は文系的な(感覚的な)所で詰めていく、というのが僕の映像作成のスタイルかなぁと思う。
* メモ
* 例えるなら、休日の過ごし方で「朝から自由だ!」というよりは、昼と夕方に予定あり、とかの方が空いてる時間が明確になってスケジュールが立てやすい、とかそんな感じ。
* ルールに従うことによる「この映像よりいい映像があるんじゃないか」という不安気持ちがなくなり、楽になる。
* ロードムービーが作りやすいのも、「時系列に並べる」という絶対的なルールに従えばカット選びに迷わないからである。
とにかく「カット選びに迷う」という要素をいかにして取り除くか(自分をだましても)というのが重要かな、と思う。
### 尺に対して候補カットが2倍~3倍の映像(個人パート)
オープニングに比べると個人パートは使える映像が少ない。せいぜい一人10分とかそんな感じである(1シーズンがんばったのに!) 具体的には、11-12の僕らのチームで一番ファイル数が多いライダーで500くらい、僕が330くらい(7分の追い撮りも、ハイクアップも同じ1ファイル)。 とはいえ、同じアイテムをハイクアップした映像が30あれば1つしか使わないし、ファイル数はあまり重要でない気がする。とにかく、そんな感じで選別すると7~10分程度になるはずである。
よって、オープニングよりは"使いたいカット"の選別に苦労しないと思う。
僕のやり方は、編集ソフトに複数のトラックを設定し
* 1トラック目はオフショット系
* 2トラック目はフリーラン系
* 3トラック目はジブ系
* 4トラック目はキッカー系
* 5トラック目はコケ映像…
のように個人の映像を置いていく。このシーケンスを"素材置場"とし、別のシーケンスで映像を作り始める。
ここからはオープニングと同じくアイディアやイメージの世界だけど、"素材置場"に自分の選んだ映像が置いてあるって事実が気持ちを楽にしてくれる。
### 余談:映像の始まりと終わりについて
結構悩むのだけど、正攻法で言うと**映像の始まり・終わりに使えそうか?という視点で映像を分類していく**事になると思う。まずは「あの有名DVDみたいなオープニングを作りたい」みたいなイメージありきで、そのイメージに合うかどうかという視点で映像を見ていく。
実は今回のオープニング、最初と最後だけは早い段階で決まっていて。
(まず音楽は5月くらいで決まってたと思う。10-11はColdplayで壮大な感じになっちゃったから、日常をイメージした感じがいいなーって探してたらよさそうな曲が見つかって)

映像の最後は天気のいい中フリーラン!ってイメージはあって、映像の最初もこういう始まりがいい、ってのはイメージを持てた。だから、映像を探す時も頭の中のイメージに一番合致するもの、って基準で楽に探せた(そこからの尺埋めが大変だったけど)
逆に自分の個人パートは全くイメージが持てなかったので結構辛かった。
で、正攻法ではないやり方だけど**取りあえず置いてみる閾値を低くする**というのは第二の策で有効だと思う。何かと言うと「これって使えそうかなー」と思ったら、とりあえず置いてみる。迷わず置く。ぴったり来たらこのまま。試行錯誤、という過程をすっ飛ばしたやり方だけど、悩むならこういうのもアリだと思う。