[読書]外資系コンサルが実践する資料作成の基本/たった1日で即戦力になるExcelの教科書

Office系の本を二冊読んだのでメモ

「外資系コンサルが実践する資料作成の基本」の感想

資料の体裁部分について(2章~4章)

資料の体裁やOfficeの使い方部分は8割方出来ており、問題ないように思う。むしろ本書のこのセクションは、自分が後輩の資料をレビューする時に、効果的で体系的な指摘を行う手助けのために使える。

僕が体裁の整え方を学んだ方法は

  • 先輩のやり方を真似したり
  • 既存の資料をそのまま使ったり
  • あるいは自己流で試行錯誤しながらだったり

結果、自分は資料を作れるようになっても、他人に教えることが出来なくなった。

※ 「自分が長い間かけて習得した技術は他人に教えるのが難しい」の法則

後輩を指導する時「君の資料は〇〇がよくない。ダメな個所は××であり、一般的には△△にする方が良い」と出来れば、1回の指導の効果が高くなる。

あとの2割は小ネタだったり自分があまり使ってない機能だったりするので、興味深く読んだ。 例えば、僕は理系人間なので、グラフはありのままの事実を書き、言葉で結論を説明するスタイルだが「王道60 P.231」のように、図自体に強調を入れるやり方があるんだな、と知った。理系脳ではなくコンサル脳で考えると、図は事実を語るものではなく主張を補強するものなので、偽造…ではないけど、自分に都合のよい風に捻じ曲げてアピールするのも手法だなと思いました。

資料のスケルトンについて(1章)

ここは自分が出来てない部分で、コンサルの「思考」に近い部分だと思う。相手に何を伝えるのか、を念頭に資料の構成を考えて作る習慣をつけるべきだなと思った。ここだけを中心に解説している本もあると思うので、次に読むのならそれかな…。

ま、自分の自己流がだいたい合ってる、という確認にはなって良かったです。

「たった1日で即戦力になるExcelの教科書」の感想

この本で役に立ったことは以下の5つ。

ショートカット 機能
Ctrl+1 セルの書式設定
Shitf+F11 シート追加
OFFSET + COUNTA 可変範囲選択
Ctrl + G ジャンプ
Ctrl + Enter 複数セル一括入力

後は全部知っていることだった。これも、自分が今までに使ってきたExcelテクが正しいと再確認でき、他人に体系的に教えるための資料となった。大半が知っている事であったが、たまにこういう本を読んで差分情報をキャッチアップしないと、いつの間にか最新に取り残されてしまうので読んで良かったです。

余談

Excelテクが中心に書かれていたがそもそも、元データを正しく作れば余計な関数は覚えなくて良いという事をもう少し主張しても良かった気がする。ダメな元データの例と良い元データの例を比較するとか。

「入社1年目の教科書」読了

本読んだので感想。ちなみにタイトルは「入社1年目」ってあるけど、誰が読んでもOKです。
### 感想
一言で評価するのは難しい。というのは、賛同できる箇所とそうじゃない!と思う箇所がそれぞれたくさんあるから。実際、ネットの評判でも賛否両論分かれている。まぁ一つ言えるのは、**この本を評価していない層より評価している層の方が仕事ができそう**、という所かな
※ [入社1年目の教科書](http://diamond.jp/category/s-nyuusya1nen)のはてブで批判的なコメントしている人のブクマページに飛んで確認したら、他のブクマも揚げ足取りばっかりだった
この本は「仕事の心得」本なんだけど、内容がやたら古い。やれ、絶対に遅刻するな、とか一発芸は真剣に取り組めだの、僕ら世代じゃ結構抵抗ある事が多いです。新世代の保険ビジネスを手がける著者がこれ、ってのは結構意外。「金融日記」の藤沢さんが「社畜の教科書」みたいなニュアンスでこの本を評価してたけど、そんな感じ。
俺としては「はい!毎朝ちゃんと出社して仕事がんばります!」みたいなのは苦手で、ちょっと寝坊したら「電車遅れちゃいましたー」とか「財布忘れて家に取りに戻ってましたー」みたいな適当な言い訳して出社するのが月に1回くらいあってもいいと思うし、冬で天気が良くてスノーボード行きたい日は急に体調悪くなったりするよね、みたいなね。あ、言っちゃった。いや、今のウソですよ。まぁとくかく、毎日真剣っつーのは難しく、たまにはダメな日もある。この本を見てると、そのダメな日さえも許されない気がして心苦しいかなーっと。
この本はそういうマインド的な所に目をつぶって、”テクニック”だけを参考にするのがいいかな。訳わからん横文字のワードを使うおしゃれな自己啓発本が多い中で、この本には地味だけど大切な事がまとまってます。例えば「頼まれたことは必ずやりきる」とか「バタバタしてまして」という言い訳を使わない、とかね。ほんと、こっちが問い合わせ投げてるのに返事返さないとかやめてほしいよ…。なんでこっちが状況管理しないといけないんだよ…。ということを自分がしないように気をつけましょう、と。
分かっちゃいるけど難しい事ほどちゃんとやれ。実際、この本に書いている”テクニック”を守ることで、仕事の能力はさておき信頼される人になると思います。
### まとめ
そんな感じで、読んでてカンに触る箇所もあるけど、自分を見返す機会を与えてくれた本でした。
で、僕が思うのは**この著者の言いたいことは、この本だけじゃ正しく伝わってないと思います。**というのはこの人、決して頭が固い人ではない。むしろ、ダボス会議とか呼ばれちゃうくらいのレベルで、頭の回転超早い。その人が敢えてのこの昭和的内容。そりゃ真意を疑うってもんでしょう。
推測ですが、一方通行の書籍だから分かりやすさ重視でこの内容だけど、実際はもっと柔軟な考えを持っていると思います。例えば、ちょいちょい仕事やりつつ趣味を頑張る生き方も認めたり。「こういうやり方で仕事をすると出世できるよ」という本だけど、そのあとに「それを選ぶのはあなた自身」という注釈が付きそうな。
腹割って話せば「会社ズル休みしたい時もあるよねー」と軽口に乗ってくれそうな気がします。

入社1年目の教科書
入社1年目の教科書

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岩瀬 大輔
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 715

### ところで
この本の特集ページがネット上にあって900ブクマくらいされてるんだけど。
[はてなブックマーク – 入社1、2年は「良き社畜」として騙され続けよ。 で、最後に1回だけ裏切ればいい 人気ブロガー 藤沢数希 聞き手:ライフネット生命保険副社長 岩瀬大輔|対談:入社1年目の教科書|ダイヤ](http://b.hatena.ne.jp/entry/diamond.jp/articles/-/16595)
この対談って、著者が本で伝えきれなかった所を対談って形でわかりやすく提供してていいと思うんですよね。それをなんとかして否定のブクマつけようとしちゃうのは、まぁすごいというか本人はがんばってるつもりかもしれないけど、個人的には**すげーみみっちぃ**と思いました。
多分「この内容が支持される=会社に文句言わずに働くのが支持されるからまずい!」って思いからなんだろうけど、それだけ本気で思ってるならエントリの1つや2つ、書いてほしいもんだけどね。

「ゲーミフィケーション―がビジネスを変える」読了

ちょいとレンタルできたので読んでます。

ゲーミフィケーション― ゲーム がビジネスを変える
井上 明人
NHK出版
売り上げランキング: 8499

### ゲーミフィケーションとは
「ゲーム的な仕組み」を利用して何かを達成すること。ゲーム感覚で楽しみながら必要な知識を得よう!とかありますよね。
で、この本では「実はゲームの力ってのは凄くて、ビジネスシーンでのゲームの力を利用した事例が続々と出てきている」みたいなことに半分くらい割いてるんだけど、それは最近のWebサービスを利用している人なら感覚的に分かっていることなので割愛。
言語学習のiKnow、XBOXの実績システム(PS3のトロフィー)、位置情報の4sq、はてなスター・ブクマ、twitterのふぁぼ、アメーバピグ、モバゲーグリーの各種ソーシャルゲームなど挙げていけばキリがない。流行りのネットサービスでゲーム的な仕組みを取り入れていないものはない。そういう意味では「やっとお堅いビジネスシーンが追い付いてきた」という状況で、これからゲーミフィケーションがバズワードになるにつれて、**間違ったゲーミフィケーションが続々と登場してネット上でバカにされるんだろうなぁ**という流れまで見えてます。
この本を読み始めた理由は、うちの職場でゲーミフィケーション的な仕組みを取り入れるという話が出てきたこと。(ゲーミフィケーションについて)肌感覚で分かっているものの体系的な知識を手に入れたいから、ってことでした。
### 自分でゲーミフィケーションを仕掛ける場合、どのように注意すればいいか
#### 既にある行動をベースにする
例えば「みんながやりたがらない雑務」について、ゲーミフィケーション化して仕組みを回す。全く新しいところから考えても良いが、設計が難しく、受け入れられにくい気がする。
* 既にある行動をベース:来店毎にポイントカードにポイントつけます!→分かりやすい
* 新しい概念:ある場所に行ったら、4sqでログイン→…楽しいの?
#### 測定可能であること
基準があいまいだったり、属人性があってはいけない。例えば「今回の雑務はいつも以上に大変だったからポイント2倍!」とかはダメ。そうしたいなら、システム的にそうなるように(例えば書類の文章量が○ページ以上だったら、など)ちゃんと定義しないといけない。コンピューターゲームと一緒。
#### 即フィードバック
ボタン1つで即反映。あるいはその日のうちに。例えば数字を入れるとグラフの変化するExcel。「結果は月に1回報告しまーす」では悠長すぎる。
#### アンロックとレベルデザイン
アンロックとレベルデザインがポイント…と本には書いてあるので項目として取り上げましたけど、どうなんですかね?「ゲームを通じてより多くのスキルを手に入れてほしい」って目的のやつなら重要な気がしますけど、既にある行動をベースにしたものだと、最初からいろいろできた方が楽しい気がしますね。例えば、カルドセプトシリーズにめちゃくちゃ慣れてるのに、新シリーズ出たら一からカード集めないといけないとか。
ちなみに僕、以前にFF13のレビュー書きましたけど、あのゲームってレベルデザイン的には微妙だったなーとか思い出しました。何が微妙って最初の3,4時間くらいがAボタン連打で戦闘勝てちゃうの。FF13の戦闘の形式は新しいから慣れさせたいって意図は分かるけど、それでも1時間くらいで良かったんじゃないかな。
#### テストプレイと改善超重要
結局はこれに落ち着くのかな、と。オンラインRPGだけでなくバーチャやスト4などの格闘ゲームでもテストプレイ→バランス調整版リリースを繰り返してる。バランスというのは難しく、最初からベストのものを作るのは無理。ゲームの概念はちゃんと設計するものの、バランスはみんなの反応を見ながら調整していかなければならない。
### 本を読む前の自分の感覚と比較して
自分なりに、ヒットしてるゲームから考えるとこういう仕組みが支持されるんじゃねーかな?というのを、本を読む前に書き出しておきましたので以下リスト。
#### 「アメとムチ」ではなくアメオンリー
例えば「1週間雑務をしなかったらマイナス○ポイント」とかにはしない。それはただ0ポイントなだけ。逆に1週間雑務をせず、久しぶりに始めたらボーナスポイントがつくくらいでもいい。
#### どんな小さいステップにもリアクションが与えられる(例:ゲームを始めた、など)
XBOXの実績システムとか、ゲームを初めて1,2時間で実績ぽんぽん解除されて楽しいんですけど、そういう感じ。
#### ピラミッド状
これは評価の与え方に関わることで、最初はぽんぽんポイントがもらえるけど、ゲームの軌道に乗っていくにつれてだんだんポイントが得られなくなっていくゲームデザイン。「実績の8割はクリアしたんだけど、あとの2割が難しいやつばっかりなんだよねー」とかそういうやつです。
#### 結果がグラフィカル
これは言わずもがなで、せめてExcelでグラフくらいは作りたいよね。
### 比較結果
自分の感覚と、本に書いてあることがあまりずれていないことが分かりました。
この本って、今までゲームとかに触れてなかったけどゲーミフィケーションの事が知りたい、って人のための本なのですね。例えば「いきなり全国ランキングと比較すると、プレイヤーのやる気がなくなるのでやめよう」とか書いてるんだけど、ゲーマーとしては、そんなの分かってるわい!みたいな。
### まとめ
ゲーム世代なら自分のゲーム感覚を信じよう!ゲームやってないのにゲーミフィケーション導入したいなら、まずはゲームをプレイしよう!
実際、僕ら世代が子供のころから身につけてきた「ゲーム感覚」の蓄積は凄いと思うし、これを明文化してマニュアルにするのは結構難しい…というか、マニュアル読んだ所で肌間隔としてそれを身につけるのはそれなりに大変だと思う。
ゲーム世代の僕らとしては、こういう本より、自分が仕掛けたいゲーミフィケーションに似た先行事例を追った方が有益だと思いました。

「選挙は誰のためにあるのか」読書感想

twitterで質問に答えた縁があり、作者の松田馨さん([@MATSUDA_Kaworu](http://twitter.com/#!/MATSUDA_Kaworu))より献本を頂きました。

献本頂いたにも関わらず感想を書くのがずいぶん遅れちゃったのは…うーん。。。どういう感想を書いていいのか迷っていて。
率直に言うと、**俺に取ってはあまりインパクトが無かったかな。**選挙は行くのは当然だし、政治家に対する偏見もない(中には悪い人もいるだろうけど)。僕が政治に詳しいというのではないけれど、予想通りというか普段から問題だと思っている点はやっぱり必要悪なんだよなぁ(二世議員とか選挙カーの連呼とか)…と思わせられた点でインパクトがないと感じたのかな。
※ あと普段から松田さんのtwitterやブログを追っていたので聞いた事がある内容が多かった、というのもあるかも、
逆に言うと小説みたいに尾ひれをつけたりせず、選挙の問題がありのままに書かれているので嘘がなく生々しい本。例えば
* Q.特定の宗教団体がバックに着いているとやっぱり有利なのですか?
* A.有利です
とか、そこ解決策無いのかよ!という所も淡々と答えてくれる。あと基本的な事も飛ばさず答えられているので読みやすい。質問の中には選挙プランナーや政治家の日常に関するものもあり、政治家って何か目的がないと割りに合わない職業だなぁと痛感。宋 文洲さんのこんなつぶやきもありましたし↓

sohbunshu 俺は日本の総理になりたくない(もちろん失格であるが)のはメリットがないからだ。金銭はなくていい。忙殺されてもいい。だけと、せめて同僚(議員)や部下(国民)から励ましをいただきたい。生き甲斐と尊重を得たい。 2010/06/02
11:07:29
link

ということで**「インパクトはないけど良書だなぁ」**という読書感でした。普通の人にこそ読んでもらいたい本って感想を見かけたけどその通りで。個人的にはYahooニュースのコメント欄で騒いでいる人に読んでもらって地に足を着けてほしいです。。。すいません…。
ちなみに…インパクト重視の人には株式会社ダイアログ – 統一地方選挙新人立候補予定者向け選挙セミナーを終えての中で紹介されている[2011年 統一地方選挙 必勝セミナー, 2011年 統一地方選挙 必勝セミナー dialogue-ustream on USTREAM. 政治](http://ustre.am/:FK1B)がお勧め。**これはめっちゃ面白い!**とにかく生々しい。初めて予備校でカリスマ講師の神授業受けた時くらいのインパクトはある。「じゃぁ今からどうやって対立候補の票を奪うかを説明します」とかほんと生々しいww 画質悪いけどお勧めです。(テキスト起こしして選挙前にUPすればはてブ200くらい貰えるんじゃないかな…)
### 本の話とは離れて。
松田馨さんに興味を持ったのは2006年の滋賀県知事戦から。それまでの滋賀県知事は可も無く不可もない感じで粛々とやっていたわけですが、空港作るとか新幹線の新駅作るとか不穏な空気になってきたのが2005年頃。その頃俺はもう滋賀県にいなかったのでどうなることやら見守るだけでしたが、反対派の候補が出てきてなんと勝ってしまいました。
その選挙結果が本当に漫画みたいで、それが自分の住んでた県で起こったってのが嬉しくて、その時の滋賀県の雰囲気はどうだったんだろう…と興味を持っていたところ、松田さんの名前を見かけるようになったということです。
### 世襲の話
この本の50番目の質問「世襲について」をしたのは俺なんだけど、それは身近に政治家の二世がいたから。縁あって友達に紹介してもらって最初は普通遊んでたんだけど、そのうち有名政治家の二世ということを教えてもらって別荘にも連れて行ってもらったりして。
彼のところには衆議院選挙のたびに後援会の人が「出馬してください!」って頭下げに来るんだって。というのは彼の親が超有名政治家で出馬すれば必ず当選するレベルだから。ランクで言うと小渕優子議員や小泉進次郎議員と同レベルの知名度。担ぎ出せば貴重な議席がプラス1されるんだから、当然頭下げるわな。
あんまりにも頭下げられるから親しい友人に相談したことがあるらしい。「俺が出馬したら後援会の人も喜ぶし、政治家になった方がいいのかなぁ…」って。そしたら友人が「お前が政治家になってやりたいことあるならいいけど、別にないんでしょ」って返して。それで考えた結果、出馬しなかったみたいだけど。二世議員だったらそんなレベルの出来心で出馬できちゃうんですよ、という話でした。
けど、いいか悪いかは別として俺がそういうコネ持ってたら間違いなく政治家になってるね。というかネットでなんかしら意見述べてるような人だったら誰だってそうだと思う。大変は大変だけど地盤あるから選挙には強いし政治素人の自分をサポートしてくれる。一応国から給料もらえるし、なんと言っても**政治家として意見を発信できる**ってメリットが大きすぎる。都条例に不満なら政治家の一人として文句言えるでしょ。
二世ならなおさら、小さい頃から政治家として活動する親の姿を見て政治家になるのが自然だと思うでしょう(医者の子供が医者になるように)。むしろ二世の彼が政治家にならなかった事の方が不思議だわ。てことで俺としては**二世議員が政治家を目指すのは普通だと思ってるし、二世ってだけで批判するのはどうかと思った**のでした。
ただ、二世ばかりでコネのない新人が議員になりにくい、ってのは問題だと思ってる。昔「25歳で選挙に出馬した友達の話」というのを書いたけど、結局彼は多摩市議会議員選挙で落選しちゃったんだよね。同世代で気まぐれで衆議院議員になることができる人と、やる気・ハングリー精神があっても地方議員にさえなれな人。この両方を見るとなーんか複雑な気持ちになってしまいます。
まぁそういう新人さんが頼るべきなのが選挙コンサルティングの株式会社ダイアログさんであり、政治家を目指すなら良い選挙コンサルティングから!という宣伝をしてエントリを終わります。

引越し前の準備として「家を借りたくなったら」を読んだ感想。

家を借りたくなったら
家を借りたくなったら

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長谷川 高
WAVE出版
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結論。**引越し未経験者には重過ぎるし、引越し経験者には冗長すぎる部分が多いと思った。**
俺は最初の引越しなんて勢いで決めて、住んでみてからいい所悪い所がだんだん分かって次に繋げるものだと思ってる。この本を読んであれやこれや気にしても、完璧な物件なんてなかなか見つからず、結果引っ越す意欲が落ちちゃうんじゃないかなぁと思う。まぁコンビニによく置いてる「この春からルームシェア!」とか「わくわく☆トーキョーライフ」とか**東京暮らしを幻想化している本**に比べりゃ現実的な事が書いてあるけど…。
確かにこの本には引越しの時に気をつけるポイントが細かにかいてあるけど、一度も引っ越したことない人がそれを参考にできるかは微妙。だって自分が何を重視する人間なのか、本当の意味で分かってないから。例えば西向きの部屋でも意外と気にならなかったり、ユニットバスでも大丈夫だったり、隣人がうるさくてもあまり気にしないかもしれない。その逆もあり。
自分をちゃんと分析して必要な情報を取捨選択できるならいいけど、この本の通りにやろうとして「ああ、引越し前にはこんなに気をつけないといけないんだ…。大変だな…。」と思ってしまうと悲しいな。
で、引越し経験者の僕視点から評価させてもらうと「それは知ってるよ」って情報が多い。何度か引越しするとその度に不動産情報を調べ、自分で失敗したり他人の失敗を聞いたりしたりで知識がつく。そういった知識を書いてるのがこの本なので目新しい情報はなかったです。
ちなみにこの本では「いい物件を見つけるには地道に調べるしかない」と結論付けられてます。正直なのは嬉しいけど、本を読んでも無駄だよ、自分で探しなよ、と言われているようでなんとも皮肉。

『「モテ声」の法則』読了。

最初に。「モテ声」というタイトルは釣りで、普通に話し声の大切さと練習方法に書いた本でした。異性に関する項目は1つもありません。
### 内容
[「言葉と声」](http://prius.cc/d/20090323_voice.html)に比べて、こちらの方がカジュアルな感じ。あちらが「発声の仕方」を教える本なら、この本は「話し方」を教えてくれる。だから、**発声練習するつもりなら「言葉と声」を買ったほうがいいです。**
ただ会話へのフォーカスするならこちらの本。
* 間の取り方
* 抑揚のつけ方
* トーンの変え方
* 1対1で会話するときの振舞い方
全て「言葉と声」には書いてないこと。「言葉と声」を読んで**「発声の基礎練だけで本当に会話が上達するんだろうか…」**という疑問をもったなら読む価値があります。実際この本は**話し言葉と書き言葉は違う。頭の使い方も全然違う**と書いています。著者がラジオDJなだけありますね(「言葉と声」はボイストレーナー)
### 大きな声を出せば・口を大きく開ければいいというものではない。
「言葉と声」で一番疑問だったのがこれ。発声練習で口をはっきり開いて大きな声を出すのは良いけど、日常生活でそんなしゃべり方しないでしょ、テレビのアナウンサー見てても口開けてないし。この疑問にこの本はきっちり答えてくれました。
大きな声でなくても・口を大きく開けなくても**会話する分には通る声であればいい。**むしろ、大きな声にこだわりすぎると逆効果になる時がある。腹式呼吸も大げさにやらなくても必要な分だけ吸い込めばいい、と。う~ん、書いてる内容は「言葉と声」よりこっちの方がいいなぁ。が、毎日のボイトレに使えるのはCD付きの「言葉と声」。実に惜しい本。
### 実際のトレーニング場所
実際にボイトレする時に、マンション住まいだったり家族がいたりすると家の中でできないですよね?この本では車の中でのトレーニングを推奨してます。俺も車の中では大声出してます。けどこれじゃ車持ってないとできない。そこで**バスタオルを口に当てて声を出す**のも推奨しています。これは「言葉と声」でも推奨されていて、誰でもできるやり方ですね。
### 昔の話
学生時代に電気屋店員バイトやってた時は、この本の内容みたいなことに気を使ってたような気がするな~。例えば商品を見てるお客さんに
「もし何か分からないことがあればお気軽にお声掛け下さい。」
って言う場合、ゆっくり低い声で話すと効果抜群。文章にすると下のような感じ。
「もし何か分からないことがあれば、お気軽に、お声掛け下さいね。。。」
そのためには、お客さんとの距離を頭に入れて、自分が発生している姿をイメージしてから声かけます。失敗すると焦って早口になり、尻すぼみになってしまって悪印象。ん~今考えると、電気屋店員って毎日がボイトレだったな。朝から晩までしゃべりっぱなしだし、売り上げ出すのに必死だったし。
…つーかそのおかげで就活の調子良かったのかなぁ。1対1の面接であんまり落とされなかったし、自分のペースで話せた面接が多かったな。
今となっては口下手だけど、あの時一度身につけたんだから今取り戻せない事はないって考えればいいか。

「モテ声」の法則―人をひきつけ人に好かれる「声」の磨き方
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『目標達成する技術 ~どんな目標も達成できる「成功の心理学」』読了。

怪しいサブタイトル以外は良本でした。■その目標は正しいか。目標を立てるとき、その目標と自分自身の価値観が合致してないと絶対に目標…

怪しいサブタイトル以外は良本でした。

■その目標は正しいか。

目標を立てるとき、その目標と自分自身の価値観が合致してないと絶対に目標は達成できない。例えば健康に興味がない人がダイエットを目標にしても長続きしない。というか毎年ほとんどの人がダイエットを目標にして失敗するのは、実は心の奥ではあまり必要と思っていないからかもしれない。
もし達成したい目標の元になる価値観がないなら、自分の中に新たな価値観を植え付けるところからはじめなければいけない。例えば痩せてる人はかっこいい・今年の夏は海デビューする→だからダイエットというふうに。あと

  1. 目標はなるべく大きく。最終目標が大きいほどがんばれる(目標が大きすぎても、適切なマイルストーンを置いてやればよい。)
  2. 他人のための目標を立てる。人間は自分ひとりのためより他人のための方がモチベーションが維持できる。

とのこと。

■常に「最高の状態」を維持する方法。

価値観と目標を一致させた所で行動に移すわけだけど、自己啓発本を読んだ直後じゃやる気があるに決まってる。大切なのは普段でも好不調の波を抑えて常に行動し続けること。そのために

  1. パワーアップクエスチョン
  2. 成功のイメージング
  3. インカンテーション

を3つセットで毎朝20分くらいかけてやる。パワーアップクエスチョンは「私は何に幸せを感じているだろう?」など質問の答えがポジティブで気分が良くなる質問をする。成功のイメージングは数ヶ月先に成功した後の気分を出来るだけリアルに想像してニヤニヤする。インカンテーションは自己暗示。「やれる!できる!」と松岡修三のように確信を持って言う。
…うん、なんか怪しい集会だなw

■目標が達成できなさそう…?

目標が価値観と一致し状態も良いのに、結果が出ていない…?
・リミティングビリーフ
心の中で「出来ない」って思ってませんか?「私は目標を達成する事が出来ない。なぜなら~」という文章を作文すれば、何が目標達成の妨げになっているか分かります。
・安易な安楽に流れない
テレビとかネットとか、甘いもの食べたいとか。そういうものに流れて一時的に変化する痛みから逃げてしまうと、フォーカスがブレて目標に向かわなくなります。
・真の決断
真の決断とはゴール以外の可能性をすべて排除すること、らしいです。「試しにやってみるよ」というレベルではダメらしいです。ここらへんまでくるとHowToではなく心の持ちようになってきて引っ掛かりがありました。

■まとめ

ベタベタな成功本は読んだことがなかったので面白かったです。1時間くらいですぐ読めて要点が整理されてて良かった。逆に読んで得るものがなければ損した気分になるかもw
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■ところでフォトリーディング

実は書店で「考える力がつくフォトリーディング」を立ち読み(おぃ)してからフォトリーディング試してみたんですが…。効果を感じられませんでした。まぁフォトリの最初のステップが「この本をフォトリーディングできると信じる」っていう自己暗示なので、自分の能力を信じる力が少なかったのかもしれませんw
とはいえ、独学でフォトリを習得するのは大変かも。なぜならフォトリの習得には「信じる力」が必要だけど、周りにフォトリができる友達がいないから「本当にできる」と心から信じられない。…例えが難しいけど、小学校のとき「円周率をどこまで覚えられるかゲーム」ってのが流行って、みんな100桁くらいまで覚えたんですね。けどそれって最初から100桁目標にしたんじゃなくて友達との競争の中で伸びていったんです。「あいつが覚えられたなら俺も!」って感じで。これを1人でやってたなら「100桁なんて覚えられるわけない」リミティングビリーフがかかって、50桁くらいで終わってたかもしれません。
ってことで、フォトリ習得一番の近道は、目の前でフォトリ出来てる人を見ることだと思う。んで、「出来て当然でしょ?なんで出来ないの?」とか言ってもらえれば効果てきめんだなぁ。

「タートル流投資の魔術」読了。

インデックス投資至上主義の「ウォール街のランダムウォーカー」読んだなら、その反対の本も読まなきゃねってことで。■感想サブプライム…

インデックス投資至上主義の「ウォール街のランダムウォーカー」読んだなら、その反対の本も読まなきゃねってことで。

■感想

サブプライム問題でも損失受けなかった賢いヘッジファンドの人が書きましたって感じ。

ウォールストリート日記 : ヘッジファンドと金融危機(議会証言より)←こんな人たち

この本の著者はシステムトレード主体で利益を上げるやりかた。ちなみにシステムトレードってのは株価チャートに表示される指標を使って人間の意図が入らないよう決めたルール通りに取引を行う事。例えば過去25日の株価平均が過去70日の株価平均を上回ったら買うとか。ちなみにこれは「ランダムウォーカー」では無意味とされている手法です。

で、タートルズってのは80年代にシステムトレードで大儲けした集団なんだけど、トレードのルールは門外不出。それをタートルズの最優秀メンバーが明らかにしたのがこの本。…なんだけど、実は世間一般で使われてるようなルールをちょっと改良しただけのものでした。そんなルールより重要なことは2つ。

  1. 決められたルールを守る
  2. リスク管理をする

と書いてある。本の前半はいかに人間が心理的に弱くルールを破ってしまうかについて書かれている。著者が言うにはルールを守ることが一番大切で、リスク管理

  • 破産しないため
  • 損失が膨らんでルールを破らないようにするため

だけのもの。

リターンのばらつきを防ぐため分散投資も推奨しており、ここらへんのくだりは「ランダムウォーカー」と通じるものがありました。どちらも

  1. 未来は予測できない
  2. 人間の能力は信用できない

ってスタンスだもんなぁ。

■エッジ(優位性)のある取引を

つまり、勝ち目がある戦いを挑めってこと。気分やカンで買うなんてもってのほか。普通にやれば手数料分負けるので、勝てる確率が高いときに市場に参入する事が大前提。ここの考え方は「サブプライム後の新資産運用」と一緒かなー。勝ち馬に乗るってのはギャンブルでは重要なようで。

■後編:システムトレードの話

本の後編は勝てるシステムの作り方。あんまり興味がなかったけど、統計学の話として面白く読めました。例えばよくある「このトレーディングシステムを使えば今までに○○円も儲かった!」という胡散臭い広告。嘘ではないが、そのシステムは過去のある一定期間でしか成果を上げられないような最適化がされており、広告は嘘ではないが現実に使えるシステムではないことなど(もちろん業者は分かって宣伝している)。
あとは自分の構築したシステムを間違いなく測定するためのテスト方法がいろいろと。まぁ真面目にシステムトレード考えてる人なら知ってる事なのかな?

■システムトレードは有効かどうか。

この本を読み終えるとまるで自分でも(ルールさえ守れば)システムトレードで成功できるように思うかもしれないが、普通の人がこの本を読んで成功できるかというと疑問。というのはタートルズは新聞広告に応募してきた1000人から選りすぐった10数名の話で、それでも半数はあまり成功しなかったのだから。

あとこの本は20年間のデータを使って話をしているが、「ランダムウォーカー」は100年間のデータを使っているのでそっちの方が信頼度は高い。タートルズのシステムトレードは確かに儲けてるかもしれないけど、インデックス投資と比べてどうか書かれてないのでそれも調べる必要がある。

つか、「ランダムウォーカー」は「10年20年その方法が上手くいったとしても100年は続かないからインデックス投資」って言ってるので、この本の内容と矛盾はしないんですよ。この本はあくまで1980年から今までの話なので。だから、この本を支持してシステムトレードするなら少なくても100年分のデータを取り寄せてちゃんと調べる必要はあるよね。

■まとめ

突っ込みどころは多いが実話なのでリアリティがあり、素人からタートルズになりトレードで成功した人の自伝として読むだけでも面白い。後半は数字に強くないと辛いかもしれないけど。日本語訳は読みやすいので投資分野に興味のある人ならお勧めできる本。

伝説のトレーダー集団 タートル流投資の魔術
カーティス・フェイス
徳間書店
売り上げランキング: 1167

「一瞬で信じこませる話術コールドリーディング」読了

■感想読みやすくて面白いが「明日からすぐ使える」ものではない。というのは、VSニセ占い師のシチュエーション中心に書かれており、それ…

■感想

読みやすくて面白いが「明日からすぐ使える」ものではない。というのは、VSニセ占い師のシチュエーション中心に書かれており、それを自分が日常生活で使うには応用が必要だから。「騙そう」としている相手から身を守るには有効だが、"まっとうな"コミュニケーションが成立している間柄ではコールドリーディングより話術やコミュニケーション術の類が役に立ちそうな気がする。

「コールドリーディングだけでは売れないから、無理やりビジネスや日常生活に役立つことにしよう!」と狙って編集されたのかな?と考えてしまう。ので、コールドリーディングに興味があるならともかく「今すぐ使えるテクニック」を得るには向かない。実用本なら相手の潜在意識から説き伏せる! ビジネス・コールドリーディング(※)がよいかもしれない。

※まだ読んでないけど。

■本の内容抜粋

コールドリーディングは以下のような人間の性質を利用する。

  • 同じ属性の人間(例:30代男性会社員など)はだいたい同じような経験をしてきている
  • 人間は自分の都合のいい事しか覚えない(セレクティブメモリ)
  • 人間は自分の事に一番興味がある
  • 人間は自分を平均以上だと思っている
  • 人間は誰でも二面性を持っている

これを元にストックスピールという誰にでも当てはまるような事を言う。いくつかは当たっているのでセレクティブメモリ効果によって当たってるものだけが印象に残る。その他、上に書いてある人間の性質を利用して相手を自分を信じ込ませていく。

■Weタイプ/Meタイプ

人間は協調性重視のWeタイプと自分主観のMeタイプに分かれる。例えばWeタイプは団体競技、Meタイプは個人競技を好む。これは今のフィギュアスケートの選手を見ると非常に納得できるw 安藤美姫、浅田真央、村主章枝ってみんな個人主義な感じがしません?自己実現が一番の目標って感じ。逆にバレーボールの選手なんてみんな協調性が高そうでWeタイプの象徴だろう。

当然俺はMeタイプw Meタイプは他人からのアドバイスを受け入れない傾向があるので改めなければ…。つーかスノーボーダーって基本個人主義でMeタイプが多そう。たまに一緒に滑るために無駄にリフト待つ人いるけど、ありゃWeタイプだなww …と、この項はトリビア的で面白かったです。

■コールドリーディングを日常で利用する方法?

この本が実用的でないと思うのは、本の中の例文のほとんどが占い師とのやりとりだから。占い師に相談する時点で相談者は占いの力を信じている。「相手に協力的である」=占いが本当であって欲しいと願ってる状態なのでコールドリーディングもしやすい。が、現実社会のフラット関係、または仲が悪い関係ならどうだろうか?

例えば飛び込み営業にコールドリーディングはほとんど使えないだろう。逆に元々つながりの深い関係(長い付き合いのお得意様)なら、その関係を一層深くするには有効だと思う。…が、そこまで付き合い深ければコールドリーディングは必要ない。

この本の4章は「コールドリーディングを日常で利用する方法」でビジネスで使える例文が載っているが内容は納得がいかないものばかり。もっといい会話方法があるのに、と思ってしまった。

※それが相手の潜在意識から説き伏せる! ビジネス・コールドリーディングに書かれているかもしれないので読んでみる。

■その道のプロなら自然と身に着けている?

本でも触れているが、コールドリーディングは自然に使いこなせるようになるまでは時間がかかる。観察力が高まった結果のテクニックじゃないかと思う。例えば俺が電気屋店員だったときは「値札を見る時間が長ければ購入確率が高い」「スーパーのレジ袋を持った人は購入意思がない」など自分で法則を見つけて、買ってくれそうな客中心に接客していた。

この本を読んでも明日からすぐに変われないし、逆にデキる営業は自然と身に着けているテクなのかもしれない。

一瞬で信じこませる話術コールドリーディング
石井 裕之
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「経済は感情で動く―― はじめての行動経済学」読了

骨折してるから本を読もう第2弾。■感想どこかで聞いた事のある話が多かったです。というのは、この本が経済本にしては面白く人に話したく…

骨折してるから本を読もう第2弾。

■感想

どこかで聞いた事のある話が多かったです。というのは、この本が経済本にしては面白く人に話したくなるからだと思う。

  • 商品が2つあったら安いほうを選んでいたのが、3つあると真ん中を選びたくなる
  • 9000円が8000円に値引きされたら安く感じるが、199000円が198000円になっても変わらないと思う
  • 得している株はさっさと売り、損している株は持ち続けてしまう
  • 採算が取れなさそうでも、途中まで建設した施設を完成させてより赤字が膨らむ
  • 1万円得するより1万円損するほうが感情の揺れ幅は大きい

特に感情に左右される事を嫌うネットのヘビーユーザー層では、よく話題に出るから、それを覚えていたのだと思う。

ここに上げた抜粋以上の内容で読み応えがあるし、日常生活に即した話題が多くて分かりやすい。普通の友達に「面白いよ」と貸せる本だと思う。

■感情から逃れて合理的に判断するために

上記の例の通り、何も考えずなければ損するので対策を考える。

1.思考パターンを知る・メタ認知

例えば「人間は商品が3つあったら真ん中を選んでしまうものである」と知っていたら、真ん中を選ぼうとする自分を戒める事ができる。自分の思考パターンを知っておくと、発生する感情も計算して行動できる。同じく世の中の格言を知るのも重要。金融関係は「株を購入価格は関係ない。これから上がるか下がるかで判断せよ」など投資家心理を戒める格言が多いような気がする。

2.合理的に考える

感情の法則を知らなくても、よく考えれば最適解が出てくるはず。「1円でも特したい」と常日頃から考えてるなら199000円より198000円を選ぶだろう。節約モードの俺はまさにそう。

3.人生経験

値札関係のトリックは普通に生きてりゃ引っかからないような気がする。例えば10200円の携帯電話と9800円でちょっと機能が劣る携帯電話なら(機能差にもよるけど)前者を選ぶだろうし、「今だけ半額!」という売り文句も「新製品が出る前の在庫処分じゃないの?」と疑う事ができる。

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キャンペーンは5月末まで。在庫を一掃して、6月のWWDCで新型発表ですね。

5月31日まで・・・6月に新iPhone出るって言ってるようなものじゃん

■新しく知った思考パターン

この本で初めて知った思考パターンを追加する。

・後悔回避

例えば以前から持っていた株が半減するより、乗り換えた株が半減した方が悔しさが強いこと。「選択保留して損した事」より「選択して損した事」の方が後悔は強くなる。だから現状を変えるのは怖い。しかし本書では20年たてば、したことよりもしなかったことを嘆くようになるとバッサリ斬っている。選択しないのも選択である。

・保有効果

一度自分のものになったものには、手に入れた時の約2倍の価値を見出してしまう事。例えば、無料で貰ったボールペンなのに1年も使っていると"愛着"が沸き手放すのが惜しくなってしまう。これは現状維持を選択してしまう人間心理の説明になる。転職したり引っ越したりと環境を大きく変えるのは、合理的な選択であっても心理的ハードルが存在する。それなりの理由かエネルギーか勢いが必要なのである。

・自信過剰

人間は自分を過大評価し、自分に都合のいいことだけを信じる生き物である、と心理テストで証明されている(「自分が平均以上に頭が良い」と70%の被験者が回答した)。自己評価は当てにならない、自分を過小評価するくらいでちょうどいい。

・ピークエンドの法則

2分間激痛が続き終了する治療と、2分間激痛が続きその後8分弱い痛みがある治療なら、後者の方が痛みは少なかったと感じる。終わりよければ全てよし。人と別れるときの挨拶は重要。

・時間的な選好の逆転

「将来の利益」より「目先の利益」を選んでしまう事。ここで言う"将来"は"数時間後"も含まれる。例えば週末どこかへ出かけようと考えたが、当日になって面倒になる(家でゆっくりしてる方がいいと思う)のもこのせい。これを防ぐには当日選択の余地を残さないこと。具体的には他人と約束したり、mixiなどで"週末○○行きます!"と宣言すること。予定を立てた時点では合理的な選択だったはずだから、感情を抑えて理性に従うべき。

■合理的過ぎてもダメ

ということで、合理的に考えれば損のない人生を送れそうだが、人間社会で生きていくには合理的過ぎても受け入れられない。例えば本の中の例題、

Q.列車が暴走し、線路の先にいる5人を轢いてしまいそう。ここで隣の太っている人を線路に突き出せば5人は助かる。さてどうする?

この問いに迷わず「1人の命で5人が助かるから突き出す」と答える人が友達ならどうだろうか?
また「北朝鮮に拉致された人なんて数十人なんだから、そんな所より数千人を救える新薬の開発にお金をかけるべきだ」と発言する人が政治家でいられるだろうか?

世の中"合理的な"選択をした人が支持を得るとは限らない。それより他人の感情を理解し共感を得る事が大切、とこの本の後半で暗に示されていると思う。「経済は感情で動く」し「世の中は感情で動く」。

例えば人狼BBSの場合、いくら自分が"合理的な考え"であっても、その"考え"が多数派でなければ負ける。そうならないために自分の考えを偽って多数派に鞍替えするか、相手を説得する必要がある。

■まとめ

本の前半はトリビア中心でさくさく進む。今まで感情の手玉に取られてたことを知れば、次からは感情を計算して合理的な選択ができるようになる。後半では心理学要素が強くなり感情に左右される人間を肯定するような書き方になる。確かに人間と感情は切れない関係なのだから、1人の命で5人が助かるのを迷ったり、新薬の開発より拉致被害者の救出を選択するのは、例え"非合理"であっても"人として正しい選択"と言えると思う。

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