銀行SEの話

IT業界で無事にいたいなら銀行に関わるな
銀行SE…かわいそうです… – novtan別館

まぁ僕も当事者なんですが。守秘義務に触れない程度に。

■いわゆるレガシーな技術について

もちろん部署によってはレガシー言語を毎日メンテナンスしてる所もあったりする。その一方で社内ポータルはWikiだし、OS仮想化したりブレードも導入している。運用スクリプトにはperl使ったり。事なかれ主義でレガシー使ってるのではなく、メリットデメリットを考えて採用しているということ。

テストは確かに長い。その代わり予算をたっぷり貰ってテスト環境を整えられる。うちの場合、本番サーバ5台:検証サーバ1台の割合かな。つまり、本番環境のハードウェアに100億かけるならテストにしか使用しないサーバに20億。もちろん機種も揃えるから環境依存によって発生する障害はテスト時点でほとんど潰せる。

とにかく銀行というのはIT投資に熱心で、ITの重要さを理解している。品質にもこだわる。聞いた話だと、流通系の会社は(安く仕入れて高く売るという商売上)プロダクトの品質を軽視しテストもずさん。それでいてトラブルと無償での対応を要求される…らしい。

ピンキリだけど、地頭が良いから、やる気のある行員は実に飲み込みも早く、我々の言うことを理解してしまったりもする。

実はこれが一番のキモだったり。よくある「無理解な顧客のせいで仕様が決まらず工数増えてデスマ突入」ということは、ほぼない。銀行員は実に賢い。最新のITトレンドを理解しアプリ開発もしながら、机の上には分厚い金融マニュアル(海外の金融事情について、だったかな?)。敵わないなぁ、と思うこともある。

■まとめ

確かに匿名ダイヤリーみたいな職場では俺も働きたくない。けどそこだけ切り取って銀行SEを悪く見ないで、ってこと。ということで、数年間銀行システムを担当してちょっと洗脳されかかっている俺でした。


(2007/11/6 2:03 追記)
この記事を書いた意味…ですが。匿名ダイヤリーの事実を否定するわけではありません。ただ「SIerのお仕事」について書かれた記事って「最悪」だけを切り取ったネガティブな内容が多すぎやしませんか?

IT業界に勤めるほとんどの人は「IT業界(SI業界じゃないかもしれないけど)が人気業界になってほしい」って思ってるはず。多分。それでも一部のネガティブ記事がそのインパクトゆえに目立っちゃう。そこだけ見てIT業界を敬遠してほしくないんです。そのために、IT業界の普通の真実を伝えたいと思いました。