「風が強く吹いている」の試写会に行ってきたので感想。

文中画像_風が強く吹いている_ポスター(小)_
映画 『風が強く吹いている』 10月31日(土)全国ロードショー
てことでCyberBuzzさんに誘われて「風が強く吹いている」の試写会に行ってきました。CyberBuzzさんといえばバズマーケティングの専門会社。この試写会もブログに感想を書くのが前提です。ただ僕の場合「タダで映画みさせてもらったから、良い事書かないと…。」って心理とは無縁なのでばっさり斬らせてもらいました。
### 「風が強く吹いている」感想。
安心して見れる良映画でした \ばっさり斬る、とか書いてこれかよ!/
「陸上素人が箱根駅伝を目指す」っていうマンガみたいな小説で映画にすると嘘っぽくなりそうだけど、全体通して説得力があった。 その原動力は**主役の小出恵介。**この映画、陸上部員は10人だけどセリフの5割を小出恵介、3割を林遣都がしゃべり他の8人はちょい役。で、小出恵介はくさいセリフをバンバン言う係りなんだけどこれが耳障りにならない。これは小出恵介の演技が上手い、というのではなく、あえて「演技がかった演技」をすることで、逆に寒いセリフを漂白できていたから。まるで1人だけアニメのキャラみたいで寒いセリフをしゃべっても違和感がない。 他の9人は「人」を演じてるけど、小出恵介だけは「キャラ」を演じてた。だからマンガみたいなセリフも小出恵介のキャラなら言いかねない、と自然に受け入れられた。
例えばスラムダンクのミッチーの名セリフを演じてもどうやっても嘘っぽくなる。ならば、役者がアニメキャラになりきってしゃべればいい、という**テニミュメソッド。**褒めてます。
### スポーツシーンについて
スポーツ映画・ドラマといえば、銀色のシーズン、ピンポン、シムソンズ、ブザービート、エースを狙えなどいろいろあったけど、**このどれよりも本物っぽいスポーツシーンでした。**これは撮り方がいいのか、役者の練習の成果か分からないけどとにかく全く違和感がなかった。
ラストの箱根駅伝も、ヘリ飛ばすわ道路占有するわエキストラ動因しまくるわで、本物と全く変わりないシーンを作り出した。…つーか、あんな映像どんだけ苦労したら撮れるんだよ。ということで、スポーツシーンについては元運動部の人でも安心して見れる出来です。いや良かった。
ストーリー的には、銀色のシーズン:ピンポン:シムソンズ=6:3:1。ギャグ比率高めだけどスポーツと向き合う場面もあり、噛ませ犬のライバルキャラもあり。ギャグはクオリティ高くて試写会会場がどっかんどっかんなるほどなので期待してOKかなぁ。 というか久しぶりに映画館で大笑いして**こんなに面白い映画は小説じゃ再現できないだろ、**と満足したんだけど、原作読んでた友達はめちゃ不満そうだった。
### ここから友達の酷評タイム始まるよー><
というのは、**原作のギャグクオリティはもっと高いらしい。 **小出恵介もただのリーダーじゃなくて、仲間を騙して無理やり箱根を目指させる策略家、けど憎めないというキャラらしい。箱根を目指す動機ももっと説得力があり「原作でよかったシーン・複線が削られてて薄っぽい」だと。。。
ばっさり斬ったのは俺じゃなくて友達だったんだよ! <な、なんだってーΩΩΩ
うーん。確かに小出恵介は「箱根を目指す熱血野郎、ただし過去にトラウマあり」のテンプレキャラだったけど、2時間で小説のキャラを再現させるのは無理だったから仕方ないのかなぁ。
実際、[この小説のAmazon評価](http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4101167583/pridoug-22/ref=nosim/)はめちゃ高い。レビューを見ても思い入れの強い人が多いみたいで、そんな人が映画を見て納得するか…というとどうだろう?評価が高い原作を超える映画ってあんまりないからなぁ。
### 結論
原作読んだ人は行かない方がいいかも。逆に初見ならお勧めできる。
そうそう、上で「寒いセリフも寒くなかった」と書いたけど、最後の方はちょっとアウトな場面も多かった。あと人数ギリギリで箱根を目指すって設定だから、限界を超えて頑張る選手がかっこいい!ってノリ(甲子園での連投とか)が嫌いな人は見ないほうがいいですね。

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5 自分も頑張ればできる
5 いつまでも読み継がれる一作
4 やっぱり青春ものがいい!
5 風が強吹いている
5 没頭しました